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男物の長襦袢

男物の長襦袢は・・きものと肌着(半襦袢)の間に着る為の和装・和服用の下着です。

 

男物長襦袢は、着物を着用する際に着物をすっきりと整え、ポイントとして重要視される半衿を付ける意味でも重要な着物下着の一種です。

又、下着として全体としての形を整え、すっきりと美しいラインを出す役目もあり、スソさばきが良くなるような滑りの良い生地を使うのが、着物の着姿・着こなしの為に、是非とも重要な下着といえます。

男物はその身丈が着物(上着)と同様、女性物と違って、着丈(きたけ)で対丈(ついたけ)です。

 

袖(そで)は袖口の広い広袖で、人形(にんぎょう)があります。

男性の襦袢では、人形部分が綴じられている物と、綴じない仕立ての物も両方あります。

つまり、女性の長襦袢とほぼ同じように仕立てられているということです。

夏は、単(ひとえ)長襦袢を用い、布地は絽(ろ)、紗・麻などを用います。

10月から4月ごろは、袷(あわせ)長襦袢は袷長着の中に着ます。

布地は羽二重、縮緬(ちりめん)、紋羽二重(もんはぶたえ)、精華(ちりめん系)、モスリン(ウール)などで、裏の布地は羽二重、精華、新モス、綿ブロードなどを用います。

 

袷長襦袢の袖は無双袖(袖むそう)、裾(すそ)は引返しに仕立てます。裾の仕立て方は女物と男物とでは異なります。

女物の裾は袷長着と同様に「ふき」を出しますが、男物の裾は山より引き返し、布を身頃(みごろ)の裏側へと折り返し、輪のままで仕立てます。

男物の長襦袢の布地はその着用される方の身長にもよりますが、170cm以上の方では、幅広、主としてキングサイズの広幅物で、背中側には、浮世絵・水墨画・鷹・虎・など凝った絵模様がありのが多くなっています。

そのため、背中に縫い目をつけないのが普通です。

変り物としては、しけ引きの友禅や・遊女・春画を描いたものもあり、羽織の裏地(額裏)同様、見えないところでおしゃれを楽しむ風潮があります。

一般的なものでも、柄模様にこだわる傾向があります。

このように、長着の色にあわせて、やや派手目を選びます。

黒紋付・喪服用のものは白を用います。 柄は控えめですが墨絵を取り入れるのが一般的です。

 

衿(えり)は別衿仕立てと上衿付けとがあます。バチ衿が男物の基本です。

長襦袢の衿は半衿をかけて着用します。男性用は茶、ねずみ、紺、黒などの色物を用いるのが普通で、女性同様、近年は柄物で、お洒落することが人気になってきています。

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